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日本週間 In サンタクルス


 ある紙面へ投稿した文面をそのまま掲載します。

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 私の任地コロニアオキナワの入り口には「めんそーれオキナワ」と日本語で書かれている。
コロニアオキナワとはその名の通り、日本の沖縄から来ている人々によって切り開かれた村だ。
 1954年、戦後の貧しい沖縄から開拓農業の夢を持ちボリビアへ移住し、猛獣や毒虫や蛇が潜むジャングルで、大木をのこぎりで切り落とす作業からすべては始まった。現在はサトウキビや小麦農業を営んで暮らしている。
 
 ここはボリビアの中にある日本の沖縄と言っていいほど、昭和のよき日本文化が残っている。
午後2時になると遠くから「コーンコーン」と音がする。村に住む1世のおじいたちが毎日の日課であるゲートボールを始める。
ボリビア生まれの2世からはもう日本語スペイン語、そしてウチナーグチ(沖縄の方言)まで話すことが出来る。豊年祭、敬老会、運動会など、年中行事を盛んに行い、日本の文化を未来へ残していこうとしている。

 しかし、日本語や日本文化を残していくことはとても難しい。ボリビア生まれ、ボリビア育ちの3世4世は日本を知らない。
昔は多くいた日系人も天災による不作などで次々と他国へ移住し、現在日系人はオキナワの総人口の1割にも満たない。そのため、日系人とボリビア人は共存して暮らしており、スペイン語が日常会話として使われ、複雑な(世界でも難しいとされてる)日本語を使う機会が減ってきている。


 私の活動はボリビア社会の学校とあって、子どもたちによく日本のことを聞かれる。

 「なぜ日本は使いづらい箸を使うの?」
 「中国や韓国も同じだよ」
 「じゃあ日本は中国と一緒なの?」
 「いや、日本独自のものだよ」
 「日本人はなぜ国のダンスを踊れないの?」「・・・・・うーん」

 私は日本人だから日本についてはよく知っていると思っていたが、意外にも知らないことに気づく。



 8月の中旬、ボリビア第二の都市サンタクルス市の中心地の劇場で、日本領事館主催の日本週間というイベントが開かれた。

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 会場

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オキナワ入植当時の写真を見るボリビア人

1週間にわたって、日本料理、日本の歌、琉球舞踊、日本アニメ、武道、茶道などのデモンストレーションをボリビア人に紹介しようというイベントだ。
私は沖縄文化の部の三線と歌での出演が決まっていた。

 ボリビアには青年海外協力隊は50名ほどいるが、1週間の舞台の中で7名ほどで、あとは日系人やボリビア人が自分の特技である日本文化を披露する。日本で生まれ育った私たちではなく、ボリビアで生まれ育った人たちの方がよく日本文化を知っていることに驚き、そして疑問を抱いた。
日本文化は今の日本人の生活にとって重要視されなくなってきているのではないだろうか。



 沖縄文化の部が始まり、私は日本代表としてひとり舞台に立つ。
見れば通路もぎっしりとボリビア人や日系人のお客さんが座っていた。スポットライトを浴び、会場の全員が私を見ていた。

 歌う曲は日本で有名な「涙そうそう」と「島唄」。しかし、ボリビア人には歌詞の意味が分からない。
私は歌詞の意味を少し説明した。島唄は沖縄の自然とやさしい人々、そして、戦争を二度と繰り返さないという願いが込められた歌だと。
しかし、少しの説明では伝えきれないと思い、三線と声に想いを込めて歌った。
会場が静まり返り、聴いてくれているのが体で感じられた。曲が終わると、盛大な拍手が送られた。

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人生の中でこんなに拍手もらえたことがあっただろうか。
普段のつたないスペイン語よりも、日本語で話すよりも、しっかりと心がつながった瞬間だった。



 その後も琉球舞踊や沖縄空手や琉球国祭り太鼓が披露された。 

「緊張するねー」「うりひゃー!もう出番よー!」

沖縄なまりで話す出演者のおばちゃんたちの声も弾む。舞台袖で、初めて会う人にも「がんばれー!」と声援を送る。

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琉球舞踊

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琉球国祭り太鼓

ボリビア人も日系人も一緒になって、精一杯お客さんを湧かせる。
終了後にはたくさんの人が「ありがとう」や「いい舞台だったよ」と伝えてくれた。


 自国の文化を知ること、人に伝えること、これほど身が引き締まることはなかった。
日系人にとってもそうだろう。この先ボリビア人との交流は更に深くなっていく。
日本文化を継承することが日本人のアイデンティティとして、重要な役割を果たしていくことを願う。
 
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私以外はみんなボリビア生まれの人たち 

 文化は世界を繋ぐ。想いは人を繋ぐ。下手でもいい、気持ちを込めたことは必ず国をも越えて伝わる。残りは10ヶ月、精一杯自分が出来ることを今、目の前の人たちへ伝えていこう。改めてそう思えた日だった。


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サンタクルスのシンボルの大聖堂
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プロフィール

NozomiToyabe

Author:NozomiToyabe
千葉県出身。
沖縄の名護市から飛んで南米はコロニアオキナワへ。
ボリビアで体育隊員として活動中。帰国の日が近づいて来る中、私ができることって何!?日々奮闘中。

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